【水はどれだけ豆腐の味に影響を及ぼすか?】 まず、私はせっかちですので結論から申し上げますと「東京の水道水」からでも十分美味しい豆腐は造りあげられます。はっきり申しますと名水使用の古都の名店にも決して負けない豆腐は出来ます。もちろんそこには何人にも負けない「気合」が必要に成りますが・・・ (この場合の気合とは「どれだけ豆腐に対して真直に向かえるか」という事です。) 証拠のひとつとして、当店ではインタ−ネットを介して通販を行っておりますが「名水有り」の地方からもご購入が有りリピ−トして頂いております。尚、通販の数量ですが、常連様を含めますと月に70〜90件くらい有ります。(手前味噌ですみません m(__)m ) また、食したお客様からよくお問い合わせが有る事なのですが 「埼玉屋さんでは何か特別な水を使ってらっしゃるのですか?」 と聞かれます。 「金町浄水場の水道水を使っています。」 と答えるとたいていのお客様は驚かれます。お客様はどうやら、美味しい豆腐=美味しい水とお考えの方が多いようです。 ※金町浄水場では高度浄水処理がなされています。 【要PDF】 ※当店では水道管から直間で出る水道水を使用しております。 (貯水槽などに一時水を蓄えるマンション、工場などの水は正確には水道水とは呼ばないものだと私は思います。だっていやぁ〜にかび臭かったりするんだもん) さて、水の抽出力、水のPHの違いから来る味の違いやら難しい事は高卒の私にゃぁ分かりませんので、いち職人として毎日行う作業から推測してちょっとだけ語らせていただきます。今現在大概の豆腐製造業者は「蒸気ボイラ−」というものを使用していると思います。この「蒸気ボイラ−」とは130℃前後の蒸気熱をパイプを通して直接「呉」に吹きかけながら煮沸の作業を行います。ここが「料理」等とは大きく違う所です。一般的に熱を加えるという事ですと「間接的」な(コンロに鍋をかけてというような)事が多いとは思います。が、多くの豆腐屋の場合「直接的」に「呉」に130℃に及ぶ高温の蒸気を吹き掛けるのです。こうなってくると水準以上の水であれば「名水」であろうと「水道水」であろうと関係なくなってきてしまうのではなかろうか?というのが私の感じる所の意見です。しいていえば分子レベルでぐちゃぐちゃになってしまうのではなかろうかと?(あくまでも推測です。薄い豆乳の製法ではひょっとして水を必要以上に多く含んでしまう為上記の意見の外かも知れません。)ただし、この強い熱を直接的に吹き掛ける事が出来ますので、高濃度brix15度の呉であっても十分に煮沸する事ができ、大豆の濃厚な味、甘さを引き出す事ができます。 では「間接的」な製法で有る「地釜」の場合はどうか?、残念ながらこの製造法に接する機会が無くあくまで想像から言わせていただきます。「地釜」の場合は呉の濃度も比較的薄い【brix12〜13】程度が限界ではないかと思われます。それにあくまで「間接的」ですのであまりカルキ臭の強い水ですとわずか幾分だと思いますが残留が予想されます。ただし、地釜の方が蒸気ボイラ−に比べ大豆の香りが強くい出る豆腐ができるのではと予想しています。(濃度が同程度の場合) 豆腐の80〜90%は水である。とよく言われます。ですが大豆のエキスを十分にしみこませた物、それが果たして「水」なのでしょうか?少なくても私の造るbrix15の気愛豆乳にはそう感じることができません。(相変わらず手前味噌ですみません (^^ゞ ) と、以上、私気合豆腐埼玉屋本店あるじこと、新井弘幸の意見とういか水に対する感じた事でございます。ご意見及び叱咤罵倒、心よりお待ちしております。是非遊心の掲示板へお書き込みお願い申し上げます。 |