トヨタ自動車英語版社報での埼玉屋紹介記事和訳
日本での生活

埼玉屋のオーナーの新井弘幸さんが、地元の人々の味覚にあうような素材を使った豆腐を準備しているところである。
豆腐 ― 味のわかる消費者の味覚を満足させる
アジア以外の国でダイエット食品として見られている豆腐は、遠い昔から中国人と日本人にとっては主食である。豆腐は、約2000年前に中国で初めて製造され、7世紀に日本に紹介された。豆腐のメインとなる素材は、豊富なタンパクを含む大豆である。日本では普通、豆腐は醤油とねぎと一緒に食べたり、いろんな料理に使われたりしている。全国約18,000軒の豆腐屋の内、2,000軒が東京に店を構えている。約10年前までは、多くの消費者は、手作りの豆腐を地元の豆腐屋から購入していた。しかし、現在は、コンビニや大量販売の影響を受け、多くの消費者は、より安い豆腐をチェーンストアから購入するようになってきている。この競争により小さい豆腐屋は、閉店せざるをえなくなってきている。
そういう状況の中で、営業を続けているのが三代目の経営する埼玉屋で、古い下町の風情を残す東京の郊外にある。埼玉屋は、現在のあるじである新井弘幸さんの祖父によって、1952年に設立された。全て手作りで豆腐を作っている新井さんは、埼玉屋の成功の秘訣は、研究しながら真心を込めて豆腐を作ることであると信じている。
新井さんは、朝4時に起きて、その日販売する豆腐を準備し、配達やスポット販売を終えた夜9時にその日の仕事を終了する。それは、大変な一日のように思えるが、新井さんは非常に仕事を楽しんでいる。新井さんは、さらに良い豆腐を作るために研究しながら、ときどき季節に応じて豆腐の味やタイプをかえたりしている。防腐剤を使用せず、天然の素材を使用している新井さんの豆腐は、大量生産の豆腐に比べてとてもおいしい。新井さんの得意としているものの一つに塩田豆腐がある。それは、ニガリと呼ばれる天然の素材を使った豆腐であるが、微妙に甘い味は、彼のお客さんに好評を博している。
新井さんは、彼の成功は顧客志向を特別に意識していることであると考えている。家族3名で、日曜・祝日以外は、毎日営業している。地元のお客さんがほとんどであるので、新井さんはお客さんを個人的にも知っており、地域のイベントにも積極的に協力するよう努力している。また、自分の作った豆腐のできばえを直接お客さんに聞くことにより、独自のマーケティング活動も実施している。
このように、豆腐の品質と顧客満足に配慮しながら、新井さんは、埼玉屋を大手の競合メーカーに対してさえも、うまく対抗できる豆腐屋にしたのである。

Terryさんありがとうございました。