あきたみどり (秋田県産) | |
研究日 2003.8.9 | web公開 2003.10.12 |
え〜、はなから「あきたみどり」とは関係ない話で恐縮ですが、最近業界紙等で「良質な高濃度豆乳が簡単に絞れます」とうたっている豆腐・豆乳プラントの宣伝を目にします。この場合の「良質な」というのはきっと「寄せやすい」という事なのでしょう。まあなんて言うか「頭の良い人の陥りそうな勘違い」という事で今は簡単に片付けておきましょうか。それとも機械で出来る「寄せ」の限界がそうさせているのでしょうか。 | ||
秋田県産の「あきたみどり」という大豆品種を山下師匠から頂きました。とてもきれいなお豆さんでして「豆腐にするのはもったいないなぁ〜」と思うあるじでございます。きっとひたし豆にした方が無駄なく美味しく食べれるんとちゃう?と思いました。が、こんな美味しそうなお豆を見て豆腐にせずにはいられない、そんな奴でもございます。 このお豆ちゃんは大袖振大豆のように種皮が緑色で皮を剥くと中身は黄色というような青大豆と違いまして皮を剥いても中身は緑色です。大袖振大豆は大豆の(緑色の)イメ-ジを豆腐に移項しにくいのですが、この大豆、あきたみどりは思っていたような発色をもって豆腐としてあがりました。 ※青大豆は、主に二種類に分かれています。 ○種皮だけが緑色で中身は普通の大豆(黄色)[音更大袖振、大袖の舞、etc] ●種皮も中身も緑色のもの[あきたみどり、あおばた大豆、etc] あきたみどりは●の大豆です。 ↑の写真は身を割ったものです。 |
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あきたみどりについての詳しい情報はお役所の大豆課のサイトの国産大豆品種の辞典に掲載されています。【PDF】 | ||
豆乳です。鶯色でして舐めた所、とても甘かった。 | 目が黒いのでおからはこんな感じです。 | にがり100%の絹豆腐です。 |
にがり100%の寄せ豆腐 | 当店自慢の気合堅豆腐 | 二色木綿豆腐、白いのはタマホマレ豆腐です。 |
【製造記録】 あきたみどり大豆 八升を使う。 豆乳を見て、 幾分煮があまかったようだ・・・。 初めての大豆を煮てやる時は幾分手前で止めてやるのが自分的な原則。 行き過ぎてしまうと味が飛んでしまうので。それだけは避けたいのです。 気泡が豆乳中に残存する。60℃まで冷めてくるとどろどろとしてくる。 味は濃厚で凄く甘い。どうやら味は引き出せたようだ。 寄せ作業にて、 20リットルのステンレス製バケツ2つに寄せる。(粉末にがり100% 豆乳量 各6升) ひとつは70度弱でいつものように寄せてやる。 ワンツ−寄せ器を2往復させた所で、「手」は止めろと言っていたのだが 「頭」がGOサインを出してしまう。こういう時は大抵始末が悪い。 (頭は多分にがりの分散がまだ行き渡ってないと判断したのだろうか?) 予想通り、ほんの幾分行き過ぎてしまい×。 はは〜ん、なるほどね。 で、こういう時2つ目は成功させないともちろんプロではない。 温度を下げ、にがりの添加量を幾分増やし、にがりを打ち込む前に 丁寧いに豆乳を攪拌させる。豆乳がしなやかに成って来た所で にがりを入れ、これまた丁寧にそろりと攪拌。最後の一往復は上手に。 で、○。 (後日談・山下師匠に豆腐を送付する手はずだった。二つ目の寄せ豆腐を 送るはずだったのだが手違いでひとつ目の方を送ってしまう。送付後に 気づいたのだが・・・、あ〜あとの祭り(美空ひばり) ) |
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【味について】 ◇あるじ とても甘い大豆なのだが味も強いのでバランスはとても良いと思った。甘さは大袖振同等だが味はあきたみどりの方が強いようだ。今まで味わった青大豆の観点から推測すると青大豆の味は主に2つに分かれるのではないかと思われる。 ・秘伝山形青大豆や、こいと在来のように枝豆を連想させるような香ばしいような青い味のするもの ・あきたみどりや大袖振のように磁性的な青い味のするもの (大豆の葉を連想させるようなとでも言うのでしょうか) 余りにも音更大袖振と同列系の味と、粒形が似ていた為、日本一の大豆リンク集のowner様に 「この両方の大豆の先祖はどこかで結びつくのですか?」 と質問してみました。回答は「遺伝的には全然系列の違うお豆さんです。」とのこと。へ〜、そうなんだ。これでまた一つ賢く成りました。 ◇山下師匠 (お電話にて) いやあ〜、旨かったよ(豆乳が?)。でも豆腐は少し(寄せが)行き過ぎてたな。 いやいや、旨かった。わはははは。 ◇豆乳部 部長 見事な甘さです。 一瞬青っぽい感じがしたかと思うと、甘味が消し飛ばしていく感じでした。 ◇いっし〜さん 大豆の味&甘さともに出ており非常に美味かったっす〜 いつも食べさせていただいている、タマホマレや大袖振とは、また違った 良さで、どちらかというと、ふんわりと美味さが漂ってくるような感じでありました。 ◇絹代さん 絹代さんの日記の8/10、8/11に掲載されております。ありがとうございます。 山下師匠、このような大豆をご送付頂きまして感謝しております。ありがとうございました。 ←研究室TOPへ |
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