あるじの今週のひと言!
2005年4月分
4/17 「山かけそば」
 私が18〜23歳の間、浅草の老舗「並木藪蕎麦」で修行していた時のお話しを致します。実は私、大の山芋嫌いでして、大変でした。仕事にも慣れてきた頃に、山かけ蕎麦の当たり(すり鉢で山芋に辛汁を混ぜる)具合を任されたのですが、我慢して指に取った山かけの味を舐めて当たり具合を確かめていました。が、なんと言っても大嫌いの山芋、味を確かめながら吐き気を催してしまいます。私はとても真剣でした。なんとか、味見をしないで良い方法は?と必死に頑張りました。経験をある程度積みました頃に、目で色具合を見、鼻で辛汁と山芋の香りを確かめる方法で味見をしないで確実に当たり具合を決める事が出来たのです!もちろん、抜き打ち検査的に、亡き先代が山かけ蕎麦を食べた時にも、「この山かけは誰が当てたんだい?とても良い具合だね。」と、誉められたものでした。世の中、嫌いなものだからこそ、必死に成る事もあるようですね。(笑)

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